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皆さんこんにちは!
プロス工業株式会社、更新担当の中西です。
~変遷~
目次
法面(のりめん)とは、切土や盛土によってつくられた斜面のこと。道路・鉄道・ダム・宅地造成などで必ず発生し、崩壊や土砂流出を防ぐための工事 が「法面工事」です。
単なる斜面の安定だけでなく、景観・環境・安全の観点から重要な役割を果たしています。
戦後復興期から高度経済成長期にかけて、日本各地で道路・ダム・宅地造成が急速に進められました。
この頃の法面工事は、まだ技術も発展途上であり、モルタル吹付けや簡易的なブロック積みが主流。
目的は「とにかく崩れないようにする」ことが中心で、景観や環境への配慮はほとんど考慮されていませんでした。
高速道路や大規模団地、ダム建設などによって、大量の法面が生まれました。
この時代の特徴は:
法枠工(コンクリート格子状の枠) の普及
アンカー工法 による補強技術の導入
重機による施工の効率化
工期短縮・安定性の確保が重視され、「量」と「スピード」によるインフラ整備が最優先の時代でした。
バブル崩壊後、公共事業の在り方が見直され、「環境共生」や「景観調和」がキーワードに。
緑化工法の進展:種子吹付け、植生マットで自然に近い斜面づくり
エコロジー型法面工:土砂流出防止と植生回復を両立
地域材利用:石や木材を活用した工法
この時期から「守る」工事から「自然と共存する」工事へと意識が変わりました。
近年は、豪雨・地震・台風など自然災害が頻発。法面工事は「防災インフラ」としての役割が一層強調されています。
高耐久性の法枠・吹付けモルタル
落石防止網・ロックボルトの高度化
モニタリング技術(ドローン・センサーによる斜面監視)
施工だけでなく、維持管理・長期モニタリング まで含めた取り組みが進んでいます。
未来の法面工事は、環境保全・防災・デジタル化が融合して進化していくと考えられます。
ICT施工:ドローン測量、3Dデータによる施工管理
環境再生型工法:在来種の植物を用いた自然回復型緑化
カーボンニュートラル対応:CO₂削減資材の活用
スマートモニタリング:AIによる斜面崩壊予測と早期警告
「壊れない斜面」から「自然と共存し、災害に強い斜面」への進化が今後の方向性です。
法面工事は、
戦後の安定重視
高度成長期の大量造成
環境共生への転換
防災・減災の強化
という流れを経て、今や「防災・環境・景観」を一体的に守る工事へと発展してきました。
これからの法面工事は、技術革新と環境配慮を両立させ、社会と自然の両方を守る存在であり続けるでしょう🏞️🌍✨